私はある時期、ビデオ映像の編集の仕事をしていたことがあります。
福岡の文化遺産的な催しを映像に残すというプロジェクトがあって、カメラマンの方が撮影してきたデジタルビデオテープをハードディスクに取り込んで、AppleのFinal Cut Proを使って編集するという作業をやっていました。
私はそのプロジェクトの違うチームで仕事をしていたのですが、Macを使ったことがあるということで、途中から映像編集チームに加わりました。
ビデオ編集などやったことはありませんでしたが、コンピューターを使った映像編集は、スタッフの皆さんアマチュアのようでしたし、それほど複雑な編集はありませんでしたので、ほどなく慣れました。
フレームの考え方はAdobeのFlashと同じでしたし、オーディオデータはMark of the UnicornのPerformerやNotator Logicで切ったり貼ったりしていましたので、このような経験も活かすことができたのだと思います。
催しの中には、楽器の演奏などで鋭く音量の上がる部分があり、皆さん波形を直接マウスで下げるなどして苦労されているようでしたので、デジタルエフェクトのコンプレッサーの使い方をお教えしたりしました。
スタッフの中に、放送関係のお仕事をされていた方がいて、これからはリニアの時代がどうしたこうした(・・・内容はよく覚えていません・・・)と仰っていました。だからこの仕事をやっていますと。
当時はどういう意味かよく分からなかったのですが、今調べてみると、複数のビデオデッキで映像を切ったり貼ったりして制作して行くものがリニア編集、それをコンピューターでやってしまおうというのがノンリニア編集というらしいですね。
私がゲーム制作会社にいた頃、ゲームのプロモーションビデオを作るときに、映像編集のスタジオに行って、何度か作業に立ち会ったことがあります。
私たちの業界はまだ黎明期で、事務所のマンションの一室で市販のパソコンを使ってコツコツと作業をしているのに比べて、映像のスタジオはオシャレで立派で、高価そうなビデオ編集機材が並んでいましたので、いつも気後れしていた記憶があります。
今考えると、私がビデオ編集をしていた頃が、リニア編集がノンリニア編集に急激に置き換わっていた時代だったのかなと思います。